Yuval Noah Harari氏の新著
『Homo Deus』を読む。
副題は「A Brief History of
Tomorrow」。
Yuval氏の前著『Sapiens』
(邦訳は『サピエンス全史』)に
続く、名著である。
著作『Homo Deus』は、
サピエンス(人間)が3つのことを
克服してきたことから始まる。
●飢饉・飢え(famine)
●ペスト(plague)
●戦争(war)
もちろん、飢えや伝染病や戦争が
完全になくなったわけではない。
世界では今も、それらに苦しむ
人がいる。
ぼくも、そのような境遇に置かれた
人たちを、国際協力の形で支援した
ことがある。
ただし、Yuval氏は、これらが
「manageable challenge」に
なったことに焦点をあわせる。
現代は、一部を除き、これら3つが
日々の生活に隣り合わせにあるわけ
ではない。
確かに、人間は、これら3つを
ある意味において克服したのである。
この第1章を読みながら、ぼくは
ふと気づいたのである。
「戦争」は、この「manageable
challenge」に変わっていて、これは
歴史においては大きな意味を持つこと。
ぼくの視野が狭くなっていたこと。
ぼくは「戦争」が幼少期の頃から
嫌いである。
シエラレオネや東ティモールで、
戦争の傷跡も間近に感じてきた。
現場でできることをしてきた。
でも、「人間の歴史」という歴史の
長いスパンの中で見ることができて
いなかった。
「人間の歴史」の中では、
今の時代は「特異な位置」にいる。
このことを、長い時間軸の中で、
考えさせてくれる書籍である。
何かの可能性だけでなく、
何かの「予感」に充ちた書籍である。
ぼくは、自分のなかで、手につかめ
そうな「予感」を感じている。
自分の「何か」につながる予感を。