香港もようやく「寒く」なりはじめて、香港天文台(気象庁にあたる)は12月半ばにして初めて、「寒冷天気警報(Cold Weather Warning)」を発令した。
しかし、気温は低くても11度前後で推移し、世界的に見たら「寒い」と言うにはおよばないけれど、香港に長く住んでいると、これはこれで寒い。
ただし、この寒さも数日続いてから緩和し、クリスマス頃は15度から20度くらいとなるようだ。
このくらいの気温の範囲であると、行き交う人びとの装いはさまざまだ。
一方でダウンジャケットを着る人たちがいれば、他方でシャツだけを着ているような人もいる。
世界のさまざまな地域から人が集まるところでもあるので、「寒さの基準」が一様でない。
寒さに対処するにおいても、香港天文台や周りにあわせていくのではなく、じぶんの「基準」をつくっておかないと、たちまち体調を崩してしまう。
寒く感じることの理由のひとつは、暖房があまりなく(街中ではほとんどなく)、冬でもエアコンの冷たい空気が、空気の流れをよくしていることだ。
「香港のエアコンディショニングはなぜそんなに寒いのか?」(WHY IS THE AIR-CONDITIONING IN HONG KONG SO COLD?)
街を歩いていたら、そのように問う、アート的な香港案内を見つけた。
最近、香港島のセントラルのSOHOという場所(多国籍の料理やバー)からIFCという建物(映画バットマンのシーンでも登場する建物)に向かう「通り道」が改装された。
ブリッジ式の通り道で、それまでは通りの横に店舗が並んでいた。
相当昔から商いをしてきたような店々であったが、全体がとりこわされ、完全に「道」だけとなり、壁には「香港案内」がアーティスティックに並べられている。
そのうちのひとつが、上記の「香港のエアコンディショニングはなぜそんなに寒いのか?」という案内である。
簡易案内の言葉にこんなことが書かれている(日本語訳はブログ著者)。
…Why is the air-conditioning so cold? Perhaps because the British are accustomed to the chilly weather back home, the industry standard for air-conditioning is 22℃. In some shopping centre and restaurants, the temperature may even be lower than 20℃, which is far lower the nearby cities…
(なぜエアコンディショニングはそんなに寒いのか?おそらく、英国人は英国での寒い天候に慣れていることから、エアコンディショニングの業界基準が22℃となっているらのであろう。ショッピングセンターやレストランによっては、気温は20℃よりも低く、それは近隣の都市などと比べてもかなり低いのである。…)
こんな具体に、香港への訪問者(visotor)向けに、香港案内が壁一面に並んでいる。
香港の風景も、都市開発のなかで、このようにして様変わりしていく。
それにしても、理由がなんであれ、香港のショッピングセンターもレストランも寒いから、少し多めに着込んで、ぼくは今日も出かけてゆく。