「歳だから…」という言い訳を、
ぼくたちは、例えば30代の若い時期から
口にするようになる。
この「歳だから…」は、他者に向けられた
言い訳であると同時に、それは自分自信に
向けられた言い訳である。
この言い訳を乗り越える方法は、いく通り
もある。
(1)日本以外の社会で「実感」する
年齢にぬりこめられた意味や物語は、相対
的なものである。
つまり、社会によって異なる。
日本では、30代後半になると、転職は
難しいといわれる。
香港では、40代でも転職する。できる。
人材流動性が高いからである。
年齢と結婚時期の関係も、社会によって
差がある。
だから、日本以外の国や社会で、年齢に
ぬりこめられた意味や物語を一旦はがして
相対化することである。
(2)マラソン大会に出てみる
マラソン大会に参加してみることである。
ぼくがフルマラソンを完走したのは、
「香港マラソン」であった。
タイムはぎりぎりだったけれど、2度目の
挑戦で完走できた。
マラソン大会に参加するなかで、実感として
びっくりしたのは、ぼくよりもはるかに
高齢の方々が走っていることである。
そして、その方々が、ぼくよりもはるかに
速いスピードでかけぬけていくことである。
ハーフやフルマラソンの折り返し地点よりも
手前のところで、ぼくがまだ折り返し地点
を通過する前に、反対方向から、すでに
折り返したランナーたちが、コースをかけ
ぬけていく。
そのなかには、かなりの高齢の方もいる。
ぼくよりも体格的に小さい方々もいる。
盲目の方たちも、伴奏者を伴い、しかし
ぼくよりも速いスピードで走っていく。
「歳だから…」という気持ちが一気に
消え失せていく瞬間だ。
(3)成功事例や体験記を読む
有名なのは、ケンタッキーフライドチキン
の「カーネル・サンダース」である。
カーネル65歳からの挑戦であった。
その他、世界でも日本でも、年齢に関係の
ない挑戦・成功劇にあふれている。
時代は「100年時代」を迎えている。
「歳だから…」の言い訳は、100年時代
の生き方にそぐわない。
ぼくたちのマインドは、80年時代の
物語に閉じ込められている。
また「歳だから…」が、自分に対する
言い訳であるのは、「自分」というマインド
がつくりだした「檻」が即座にくりだす
言葉だからである。
自分のつくりだす「檻」からぬけでること。
そのために、他の社会やランナーやカーネル
といった「他者の存在」は大きい。