じぶんの人生物語の「ジャンル」は? - じぶんがじぶんに語る「ナラティブ」の色調 。 / by Jun Nakajima

じぶんの人生物語の「ジャンル」ということを、ふと、思う。

ちょうど、ゴールデン・グローブ賞(Golden Globes)のニュースを目にしていた日であったからかもしれない。

なにはともあれ、ふと、思ったのだ。


「ジャンル」(日本的発音になれたぼくにとって「genre」の発音はむずかしい)の定義は幅広いので、ここでは、ひとまず、創作作品の「カテゴリー」という程度にとどめておきたい。

とはいっても、「カテゴリー」も、最近は基準のとりかたがいろいろではある。ぼくが、ふと思って、イメージしていたのは、「アドベンチャー」とか、「コメディー」とか、「スリラー」とか、「ホラー」とか、「ドラマ」とか、といった、映画のジャンル(カテゴリー)である。

<じぶんの人生という物語>のジャンルを考えたときに、どのジャンルがもっともしっくりくるか。

もう少しことばにしてみると、じぶんが日々、じぶんに語る「ナラティブ」は、どのジャンルの調子・仕方で、(じぶん自身に)語っているか、語ってきたか。


最近のアメリカの映画やテレビシリーズなどのジャンルを見ていると、スリラーやホラーなどの系列が相対的に多いようにぼくには感じられ、時代の色調のようなものを反映しているにも思われる。

スティーブン・キングの描く世界は、アメリカの田舎に住む人たちが抱く恐怖の投影であるようなことを、村上春樹がだいぶ前にどこかで書いていたが、その延長線上において、スリラーやホラーなどが射程範囲を拡大してきているようにも見える。

そんな色調に、ぼくの<じぶんの人生という物語>のジャンルがずれている。


ぼくは、じぶんの「ナラティブ」は、「ドラマ」であると思っている。

「ドラマ」といっても、いろいろにサブカテゴリー化されるだろうけれど、ぼくは感動的なドラマが好きである。また、好き嫌いは別として、昔は、そこに悲劇的な要素が少し入っていた。

そんなじぶんの「ナラティブ」を反映してか、ぼくの人生の出来事は、「ドラマ」的に継起してきたように、ぼくは思う。

どのようにして、じぶんの「ナラティブ」の色調、ジャンルがつくられるかは、子供の頃からの周囲の影響もあるだろうし、じぶんに内在的な要因もあるだろう。生きていくなかで、ジャンルも変わってくることもあるだろう。

でも大切なのは、じぶんの「外の世界」にあらかじめジャンルが所与のものとしてあるのではなくて、外の世界にジャンルを与えるのはじぶん自身であるということ。じぶんのナラティブとその色調(ジャンル)にしたがって、じぶんに起きる出来事はじぶんに現れること。

そう考えたとき、ぼくは、もっと「コメディ」と「ミュージカル」のジャンルを、じぶんの人生物語のジャンルとして、じぶんの日々のナラティブに入れたい。「コメディ&ドラマ」の、ミュージカル仕立てになったらよいと思ったりする。