どんなことも、何かを成し遂げるには
「小さなステップ」からである。
「小さなステップ」を踏むことの
大切さは、何度言っても言い足りる
ことがない。
そこで、人生の行く末が決まって
しまう程である。
だから、ぼくは、自分に言い聞かせ
ながら、感覚を大事にして「一歩」
を踏み出していく。
7年程前に、香港で、マラソンに
チャレンジしたときも、
小さなステップを大切に、積み上
げていった。
最初は10分ほどで息をきらして
いたけれど、2年程で、香港の
フルマラソンを完走した。
そして、先月から、
週6日走るように「小さなステッ
プ」を踏んだ。
フルマラソン完走が目的ではなく
人生の舵をきっていくための
「一歩」である。
「小さなステップ」はしかし、
踏むことの先をいくことが大切で
ある。
- 「小さな一歩」を踏む
- 「一歩」を踏み続ける
- 「一歩」の内・外に気づきを得る
一歩を踏み、続けていくことは
もちろんである。
最近では「習慣化」などがよく
語られて、踏み続けていくことに
焦点があてられる。
そこに、もうひとつ3段階目を
加える。
それが、一歩の「内」に気づき
を得ていくことである。
また、一歩の「外」に気づきを
得ていくことである。
そうして「自分という殻」に
裂け目ができていく。
特に、一歩の「外」に気づきを
得ること。
「走ること」を続けていくこと
で、走ることの他に「何か」が
かわっていく。
「姿勢を変えること」を続けて
いくことで、姿勢とは別に
「何か」がかわっていく。
その「何か」をつかむことで
ある。
「自分」というものは、
「システム」である。
真木悠介が名著『自我の起原』で
鮮やかに論じたように、人間の
身体は「共生のシステム」である。
また、自我・マインドも、創出
された「システム」である。
ひとつが変わると、他も変わる。
あるいは、
ひとつを変えてみると、
他も変えたくなる。
その裂け目を、小さなステップ
の中で、つかんでいくこと。
世界を開いていくこと。
真木悠介の名著『気流の鳴る音』
は、次のような言葉の引用で
終わっている。
「夜明けの光は世界と世界の
あいだの裂け目だ。それは
未知なるものへの扉だ。」
真木悠介『気流の鳴る音』
(ちくま学芸文庫)