「なんでもある香港」を堪能すること。
著作『香港でよりよく生きていくための52のこと』における、52のことのうちのひとつとして、ぼくは、そのように書いた。
香港にはなんでもある。
観光はもとより、香港で生活をしていくうえでは、この「なんでもある香港」を楽しむことができる。
香港に2007年の春に来てから、まもなく11年となる。
この11年のなかで「なんでもある香港」での体験をかさねてきたのだけれど、この香港の「なんでも」を整理してみようと、「香港政府観光局」のホームページサイトをひらく。
香港政府観光局のアプリはときどき使っていて、ホームページサイトはたまに参考にするくらいだけれど、以前、そこに電子の「ガイドブック」があったのを覚えていたからだ。
「オンラインガイドブック」(日本語版)として、以下のガイドブックがアップされており、手にいれることができる。
● 香港公式ガイドブック
● オールド・タウン・セントラル街歩きガイド
● 香港ハイキング&サイクリングガイド
● 香港ハイキング&サイクリングガイド(2017年版)
もちろん、英語版も英語のサイトに切り替えれば、手にいれることができる。
香港の多様性をうかびあがらせるような表紙デザインいずれものガイドブックも、「ガイドブック」という名前が示すように、いわゆる「旅のパンフレット」の域を超える内容でつくられている。
これほどの内容が、(このサイトの情報を知っていれば)こうしてサイトから簡単にダウンロードできること、それも日本語のものが揃っていることに、ぼくは個人的な驚きを得る。
なお、「香港公式ガイドブック」は日本語のみで、英語版は「BEST IN HONG KONG: A TRAVELLER’S GUIDE」というものがあり、日本語版をはるかに超える180頁越えの内容となっている。
英語サイトでは、「Hong Kong x Cruise」のガイドブック(兼広告)もある。
これらのページをめくりながら、ぼくは、まだ体験していない/行っていないところなどを確認していく。
それにしても、「オールド・タウン・セントラル街歩きガイド」と「香港ハイキング&サイクリングガイド」は、ぼくが来た11年前にはなかったものである(と思う)。
前者が対象とする、香港島の中環(セントラル)の一帯は、ビジネス街である一方で、指摘されるように「歴史やアート、グルメや文化」がひろがる場所である。
近年は特に、中環(セントラル)の隣りの「上環」にまで至る一帯に、「アート」の空間をつくりだしてきている。
また、後者は、「ハイキング&サイクリング」とある通り、「自然」、また「身体を動かすこと」である。
これら、「アート」「自然」「身体を動かすこと」は、2010年以降くらいからの、香港における「活動」の潮流をそのままあらわしている。
経済発展を主旋律としながら、香港という社会と人びとの磁場のなかにつくられてきた、あるいは押しだされるように立ち上がってきた活動たちの諸相である。
そのような側面を、香港政府観光局のサイトの「ガイドブック」を見ながら、また「なんでもある香港」の「なんでも」を整理しながら、ぼくはかんがえる。