香港で、冬至節(Chinese Winter Solstice Festival)をむかえて。- 「湯圓」を食べながら。 / by Jun Nakajima

 

2017年12月22日は冬至(Winter Solstice)にあたり、ここ香港では「冬至節」ということで、多くの家族がこの機会にあつまり、夕食を囲む。

香港の休日に関する法律では休日ではないけれど、香港の雇用法(雇用条例)においては、使用者側の選択により、この日を法定休日とするかあるいは「クリスマス」を法定休日とするかを決めることができるようになっている。

多くの企業などでは、クリスマスを法定休日とするから冬至節は休みにならないが、香港の慣習により、仕事に支障がなければ仕事を早めに切り上げることができるようにしていたりする。

それだけ大切な日である。

早く家に帰ったりレストランにくりだして、家族たちと食事を共にする。

 

冬至は、知られているとおり、一年で昼の時間がもっとも短くなる。

冬至の起源は、生きることのバランス・調和に関する、中国の「陰と陽」の概念にある(※参照:Discover Hong Kong)。

昼がもっとも短くなる冬至は「陰」(暗闇・冷たさ)の力を極めるが、そこを境にして「陽」(光・暖かさ)に開かれていく日にあたる。

この日に家族があつまり、食事を共にする、家族にとって一年でもっとも大切な日のうちの、ひとつである。

上述のように、香港では、仕事を早めにきりあげて、家族があつまるのだ。

習慣として、「湯圓」(もち米で作った団子の入った甘いスープ)を食べたりする。

その発音の仕方である「tongyuen」が、「reunion、再会」と似ているからという。

 

「大切さ」を尊重して、夜、デザート店に「湯圓」を食べに立ち寄った。

午後10時に近い時間にもかかわらず、多くの人たちで席が埋まり、多くの人たちがテイクアウトをするために店頭に並んでいた。

家族たちがこうしてあつまる機会は、ふつうにいいな、と思う。

別にそれが冬至に限られたことではないし、冬至のような特別な日に限るのもよくないけれど、それでも、そのような日があって、みんながあつまる。

シンプルにそれはいいなと、ここ香港のそんな風景を見ながら、ぼくは感じるのであった。