2017年の振り返りをしたり、2018年の目標を立てる時期に(振り返りも目標もこの時期である必要はまったくないけれどもひとまず)、「書くこと」ということを考える。
じぶんと向き合いながら「書くこと」の意味や効用はやはり大きい。
人の「内面」という視点で、「書くこと」を見てゆくと、ひとつの切り取り方として「3つの側面」がある。
それらは相互に「重なり」を有している。
- 内面の思考や感情を「外部」に出すこと
- 内面の思考や感情の「整理」
- 内面における「気づき」を取り出すこと・浮上すること
第一に、内面の考えや感情を「外部」に出すということがある。
書くことで、じぶんの内面にある思考や感情を「外部」にうつしていく。
じぶんの思考や感情を見つめ直すことにも有効である。
外部に出すということは「見える化」することである。
目で見ることでより客観視し、見つめ直すことがより容易になる。
そうすることで、第二に、思考や感情が「整理」されていく。
赤羽雄二の著作『世界一シンプルなこころの整理法』にあるように、例えばA4一枚に、言葉を書いていくことで、「こころの整理」がなされる。
David Allenの有名な『Getting Things Done』も、この効用に目をつけて、「頭の中」にあるものを一度すべて書き出すことをすすめている。
その副題にある言葉「Stress-Free」にあるように、ストレスを軽減する効用もある。
第三に、そのような過程で、「気づき」が得られる。
明確でなかったことに気づくこともあれば、ふーっと浮上してくるように「現れる」こともある。
気づかなかった「思考や感情のつながり」が、目に見えるようになったりする。
「わかる」という経験は、いろいろな思考や言葉が「つながる」経験である。
また、整理された「すきま」に、新しい思考がはいってくることもある。
ただ書けばよいというわけではないけれど、でもただ書くところからスタートしてもよい。
SNS的な書き方に終始すると他者の「評価」を求めるような書き方にもなってしまうことがあるから、「じぶんと向き合う」仕方で、書いていく。
書かれた文章は、何かの「はじまり」でもある。
人は、構築主義的に、文章を(つまり思考を)構築していく。
そのプロセスでは、さまざまな「他者」の思考や感情や経験が参照されたり、使われたり、吟味されたりする。
「じぶんと向き合う」書き方とは、「じぶんがつくられる」ような経験である。
じぶんを「創られながら創る」というプロセスに投じていくことになる。
書くことのプロセスのなかで、「(他者に)つくられる」という経験をしながら、ぼくたちはじぶんをのりこえてゆく。