「To Doリスト」を見るのがつらくなってしまったときに。- 「すべき」に「したい」を混ぜる。 / by Jun Nakajima


ぼくは、世界で仕事をしてきた中で、
「To Doリスト」を活用してきた。
西アフリカのシエラレオネで使い始め

東ティモールで、香港でいろいろ試し
ながら、自分に合った使い方を追求し
てきた。

「To Doリスト」の有効性については
賛否両論である。

「To Doリスト」の使い方に気をつけ
ないと、早急な判断で、有効性に
「否」をつきつけることにもなる。

「成功者は「To Doリスト」を使わない」
と題されるウェブサイトの記事
では、
「To Doリスト」の3つの大きな問題
として、下記を挙げている。

・所要時間がわからない
・緊急と重要の区別がつかない
・(完了しない業務は)ストレス要因になる

これらは一面において正しいし、
しかし一面においては正しくない。
これらは使い方次第でもある。

大切なことは、とにかく、やってみる
こと。

やってみて、自分に合った使い方へと
最適化してみること。
それでも、合わないということであれ
ば、そもそもの「使用目的」に戻って
他の方法を模索すること。

そして、一度うまくいかなかった経験
も、時には掘り返してみて、再度
「実験台」に載せてみることである。
数年前は自分に合わなかったことも、
今となっては有効であることもある。

この「実験の繰り返し」が、
「よりよくする」ということの本質で
あるように、思う。
生産性向上であろうと、その他どんな
ことであろうと。

ぼくも、「To Doリスト」はいろいろ
に試してきた。
うまくいくこともあれば、うまくいか
ないこともあった。
今も「実験の繰り返し」の日々である。

下記は「実験の途上」でのメモである。
 

(1)書き出すこと

「To Doリスト」にしろ、
「To Doリスト」ではなく「予定表」に
落とすという代替案にしろ、
それは「書き出す」ということである。

「書くこと」の有効性は認識されている。
「書くこと」で、頭の中をすっきりと
させておくことができる。
「書くこと」で、忘れないでいることが
できる。
「書くこと」で、完了の際に、進んだこ
との証として、チェックできる。
「書くこと」で、一歩先に進むことが
できる。

 

(2)「デッドライン」

「To Doリスト」を書きだすときに、
日にちを設定する。
いつまでにやらなければいけないなど
と、「デッドライン」を設定する。

そうすると「To Doリスト」は
「デッドライン」だらけになってしまう。
それらは、完了しないタスクの
リストとなることがある。
「To Doリスト」を見るのがつらくなっ
てしまう。

「デッドライン」には、追われる傾向に
ある。
タスクに追われる感覚である。

だから「デッドライン」として、設定し
ないことが方法のひとつである。
「To Doリスト」を「デッドラインリス
ト」にしないこと。

常に追っていくタスクとしてのリストと
することである。

 

(3)「すべき」に「したい」を混ぜる

「To Doリスト」を見るのがつらくなっ
てしまったときに、ぼくにとって有効だ
ったのは、「やりたいこと」や楽しみの
ことを、リストにどんどん混ぜていくこと
である。

苦手な食べ物に「好きな食べ物」を混ぜ
ることで食べることができるように。

「To Doリスト」は、言葉の響きからか
「すべきリスト」と最初は考えていた。
仕事はどうしても「やるべきこと」が増
えてしまうかもしれない。
それでも「したいこと」はある。
プライベートを含め、「やりたいこと」
をリストに書きだしていく。

「To Doリスト」は、だから、
「Want To Doリスト」でもある。

「To Doリスト」を見るのがとてもつら
くなってしまったとき、
ぼくは、「やりたいこと」をリストに
混ぜていくことで、「To Doリスト」を
常に見るようになっていった。


 

「To Doリスト」という方法を
使い倒していく中で、「To Doリスト」
そのものの問題も出てくる。
しかし、その方法の使用からこぼれおち
てくるものは、
ぼくたち「自分自身の問題」である。

例えば、
「To Doリスト」が「すべきリスト」と
なってしまうのは、ぼくがそう生きて
きてしまったからでもある。
「すべき」で詰まった生き方を。

例えば、
「To Doリスト」が未完了だらけになっ
てしまうのは、ぼくが先手先手で仕事が
できないからである。

例えば、
「To Doリスト」を完璧に使いこなそう
として失敗するのは、ぼくの完璧主義の
せいでもある。

などなど。

方法の問題ではなく、方法を使う「主体」
側の問題である。
あるいは、主体と方法との相性の問題で
ある。

方法だけを追い求めていると、そのこと
は見えてこない。

だから、自分をまなざすこと。

そんなことを認識させてくれることも
含めて、「To Doリスト」は有効であると
ぼくは思う。

世界は、「やるべきこと」も充ちている
けれど、「やりたいこと」も充ちている。

 

追伸:
アプリとしては、
ぼくは「OmniFocus」を使っています。
iPhoneに最初からついている
「Reminder」も一緒に使いますが。
後者はチェックリスト的な使い方です。

また、iPhone上での操作だけではなく
Apple Watchの画面に通知が来るよう
になっています。