「自己啓発」(の本)を嫌いになる前に立ち止まって考える、3つのこと。- 「本との出会い力」をつける。 / by Jun Nakajima

「自己啓発」という本のジャンルがある。
英語に直すのが実は難しいジャンルである。

英語は、例えば、
・Self-help
・Personal Development
・Personal Empowerment
など、と言われたりする。

ぼくは、以前、日本語の「自己啓発」と
いう言葉が好きではなかった。
今も、言葉自体は好きではない。

特に「啓発」という響きの中に、
日本の歴史上でしみついてしまった
イメージ(例えば、啓発=うさんくさい
など)が、ぼくの言語空間に「壁」を
つくってしまっている。

しかし、その「系列」の本は好きで、
日常の中で読んでは、興味のある行動・
方法は試している。

そこから学ぶべきことは数えきれずに
あるし、これからもずっと、学んでいく
と思う。

言葉は好きではないけれど、
それ自体は、とても大切なものである。

「自己啓発」(の本)を好きではない
人たちは、統計をとったわけではない
けれど、きっとたくさんいると思う。

そんな人たちに向けて、「自己啓発」を
嫌いになる前に考えること・行動するこ
とを、ぼくの経験から、書いておきたい。

「自己啓発はダメだ」と早急に判断する
前に、少し立ち止まって、考えるために。

 

(1)「自己啓発」という名前

ぼくは、言葉の響き、ぼく自身が勝手に
抱いているイメージから、「自己啓発」
的な本から遠ざかってきた。

ぼくは、そのような、日本語に刷り込ま
れている負のイメージを取り除くために
「結果として」取ることになった方法は
大きく二つある。

●英語の本で、学ぶこと
●内容として一部重なる他のジャンルから学ぶこと

第一に、英語の本で学ぶことで、日本語
にすりこまれた負のイメージを取り払って、
学ぶことができた。

「人生の格言」的なものから、本そのもの
の内容まで、英語で学んだ。

この分野は、アメリカで発展してきた分野
でもあり、英語で書かれている内容は、
ぼくの中にすっと入ってきた。

それから第二に、他のジャンルから攻めて
いった。
意図的に攻めたわけではないけれど、
結果として、自己啓発の領域に侵入して
いたというのが正しい。

社会学者の見田宗介著『気流の鳴る音』は
社会学に限らず、「生き方」の議論に、
垂直に降りていくような「分類不能な本」
である。

この本から、ぼくの関心が360度に広がっ
てきた。
「自己啓発」的なことも含めて。

 

(2)「知っている」ではなくて、「できているか」で判断する

「自己啓発」の本を読んでいると、
「この内容はすでに知っているよ」と
いうことに、何度も何度もでくわす。
「何にも新しいことは書かれていない」
と。

でも、「自己啓発」の本の目的があると
すれば、「知ること」で終わりではない。
「知ること」で、行動に移していくこと
である。

だから、自己啓発の本の有効性・有用性は
「知っている」ではなくて、
自分が「できているか」で判断する。

もちろん、まったくダメな本もある。
有限な人生だから、ダメな本を読むという
無駄な時間は避けたい。
でも、「本との出会い方」を知らないと
ダメな本と出会うことも結構ある。
けれど、そこからも学べることはある。

 

(3)「本との出会い方」を学ぶ

人との出会いと同じように、
ほんとうによい本を見つけることは
「本との出会い」と言える。

自分の「師匠・先生」と同じで、
本が勝手に現れるのではない。

自分の「学びの準備」が整ったときに
ほんとうに自分に必要な本と出会うこと
ができる。

本が、そっと、あるいはドラマ的に、
現れる。

そのような、素敵な「本との出会い」が
できるように、学びと経験をつみかさね
ていくこと。

素敵な出会いで出会った本も、
内容として「同じこと」を言っている。
でも、「同じこと」を言っていても、
自分の前に「現れた本」は、異なる仕方
で、異なる角度で、メッセージを投げか
ける。

「同じこと」を言っていても、
違った仕方で、自分につきささる。

だから、「自己啓発」が好きではなく
ても、立ち止まること。
嫌いになる前に、立ち止まって考える。

そこに、自分の「生き方」を変える
宝石の原石が眠っているかもしれない
から。

 

追伸:
「自己啓発」の英語訳としては、
ぼくの中では、
「Personal Development」
が感覚として近い。

でも、それもしっくりしないとき
もあって、
日本語の感覚からは、
「生きること」そのものである。

だから、「Life」なんだけれど、
それだと、何も言ってないように
聞こえて、身も蓋もないですね。

そうして、まだ、言葉を探してます。