香港で、香港MTRの鉄道路線「South Island Line(南港島綫)」に乗る。- 「体験」としての、生きる。 / by Jun Nakajima

香港MTRの鉄道路線のひとつ、「South Island Line(南港島綫)」の電車に初めて乗る。

「South Island Line(南港島綫)」は、香港島の「Admiralty(金鐘)」駅から、香港島を縦にぬけてゆく路線である。

2016年12月に全面的に開通してから、だいぶ経っていたのだけれど、特に利用する機会もなく、今にいたっていた。

Admiralty駅に行くことはそれなりにあったけれども、なんとなく、乗らないままにいたのだ。

 

乗ってみて、やはり「体験」ということの強さを、思い知らされることになる。

路線に乗り換え、路線に乗る感覚がからだのなかに組み込まれ、そして「便利さ」がよくわかる。

香港島(の一部)を「縦」にぬけてゆく路線ができたことで、「South Island Line(南港島綫)」のAdmiralty駅の次の駅名ともなっているテーマパーク「Ocean Park(オーシャンパーク)」に行くのも、とても便利になった。

それまでは、Admiralty駅で、バスにのりかえ、あるいはタクシーにのって、「Ocean Park」へと向かう必要があった。

乗り換えはそれなりに時間も手間もかかったし、また途中渋滞することもあった。

それが、他の鉄道路線からの連絡通路でつながった「South Island Line(南港島綫)」にのって4分で、「Ocean Park」に着いてしまう。

これは、やはり乗ってみて、体験してみて、よくわかった。

また、その他にも、「South Island Line(南港島綫)」の電車は、自動のシステムで動き、先頭車両からは、電車が進んでゆく風景を見ることができるなど、新しいテクノロジーが採用されている。

こんなことも、乗ってみるまでは、やはり知らなかった。

 

この日は、用事があって、Admiralty駅で乗り、Ocean Park駅の次の駅「Wong Chuk Hang(黄竹坑)」で降りて、帰りはAdmiralty駅に戻っていくだけであった。

それでも、たくさんの感覚と情報が、ぼくのからだに入ってくるのであった。

それにしても、香港は、交通機関がはりめぐらされており、移動するのにとても便利である。

もちろん、そのことも、実際にじぶんのからだで動いて体感していくことのなかに、<実感>として形成されてくるのだ。

ぼくたちが、日々を生きるということは、このような「体験」の積み重ねのうちに、ぼくたちの<物語>が織り込まれてゆくものである。