海外に住むときには、その土地での風土病や感染症などは、その基礎知識と対処法を知っておくことが大切である。
特に、日本に住んでいて海外に出ることになったときには、日本では見られない風土病や感染症について知っておくことである。
症状が出たときに(「もしかしたら」の可能性を)知らないままに対処してしまうことを避けたり、あるいは日本に戻ってから発症したときにも対処できるようにしておくためである(日本では特定のクリニックが対処してくれる)。
ここ香港で、デング熱への注意が喚起されている。
香港のライオンロック公園(Lion Rock Park)が、8月17日(金)より30日間、閉鎖されることになった(※South China Morning Postの記事「Lion Rock Park closed for 30 days to wipe out mosquito breeding sites after 11 people get dengue fever in Hong Kong」)。
「デング熱」の感染ケースから、公園での蚊の駆逐が必要と判断されたためである。
判断の背景には、デング熱の感染が確認された11名の内の9名が、ライオンロック公園を訪れていた事情があるという。
「デング熱」については、感染症についてぼくがよく参照にしている、日本の「国立感染症研究所」のサイト(「デング熱とは」)によると、「ネッタイシマカなどの蚊によって媒介されるデングウイルスの感染症である。デングウイルスはフラビウイルス科に属し、4種の血清型が存在する。比較的軽症のデング熱と、重症型のデング出血熱とがある」と書かれている。
デング熱の症状としては、「感染3~7日後、突然の発熱で始まり、頭痛時に眼窩痛・筋肉痛・関節痛を伴うことが多く、食欲不振、腹痛、便秘を伴うこともある。発熱のパターンは二峰性になることが多いようである。発症後、3~4日後より胸部・体幹から始まる発疹が出現し、四肢・顔面へ広がる」とある。
ところで、デング熱のニュースに反応するのは、ぼくが以前、デング熱に感染したことがあるからでもある。
それは、10数年前に東ティモールに住んでいたときに起こった。
始まりは、ある日、突如の高熱(かなりの高熱)としてやってきたのであった。
それまでに、シエラレオネと東ティモールで、マラリアに幾度かやられていたから、そのときも、マラリアだと思い、マラリア治療薬を飲んで、休むことにした。
でも、マラリア薬を飲んでも、一向に、よくならず、関節痛などがひどく、また皮下の発疹が顕著に現れてきた。
後日、それがデング熱であることを知ったが、いわゆる治療という治療方法がないデング熱を、ぼくはこの身体と休養でのりこえるしかなかった。
そして、デング熱は、かかった後に、異なる血清型につぎにかかると重症化することがあり、それからはさらに蚊対策と免疫力の維持には注意をはらってきた。
香港や中国華南でもデング熱は見られるから、ぼくは自分の「情報アンテナ」をはっている。
そして、なによりも、じぶんの身体の状態をととのえ、できるかぎり免疫力を維持するようにしている。