香港で、「lah」が親密な空気をつくる。。- レストラン「Noodle Lah」を訪れて。 / by Jun Nakajima

マレーシアやシンガポールの英語において、言葉や文章の最後につけられる「lah」。

「lah」それ自体では意味を持たないけれど、会話をやわらかみと親しみやすさで包む語感をもち、会話を円滑にする潤滑油のようなものだ。

厳密にはいろいろな機能があるようだが、普通に使われる「lah」は親密な雰囲気をつくり、慣れてしまうと心地よい。

 

香港には、そのような「lah」をレストラン名にもつ、「Eat Lahグループ」がある。

その最初の系列が、「Noodle Lah」であった(グループの別の系列に「Wah Lah」がある)。

レストラン名を聞いたときには、「やられたなぁ」と思った。

「lah」をうまく使った店名である。

店名だけでなく、メニューには面白い名前が並ぶ。

例えばラクサは「LAHksa」である。

この「LAHksa」のように、東南アジアの麺などを、食べることができる。

 

少し前になるけれども、そのレストラン「Noodle Lah」の新しい店舗に行ってきた。

Wan Chaiのコンベンションセンターからフェリー乗り場へとつながる道の途中に、反対側に九龍島の景色を見やりながら、レストラン「Noodle Lah」がある。

「Noodle Lah」が最初の店舗をAdmiraltyにオープンさせたときから、人の縁もあって、また「麺類」が好きなこともあって、ぼくはよく足を運んできた。

Admiralty駅は当時の通勤通路でもあったから、場所的に便利であったこともある。

Admiraltyの店舗は残念ながら閉店になり、Wan Chaiに新しい店舗がオープンしたのであった。

場所も、内装も変わったのだけれども、なによりも、その親密さが新しい店舗にもひきつがれているのを感じる。

「lah」という響きそのものが、店舗の形と内実にあらわれているようだ。

そうして、麺好きなぼくは、ここ香港でも、麺を楽しむのである。