「The World’s Greatest Places 2018」(2018年世界の最も素敵な場所)という特集が、TIME誌2018年9月3日号/10日号に掲載されている。
副題には「100 Destinations to Experience Right Now」(今体験すべき目的地100)と付され、「新しい」目的地として100の行き先(博物館、公園、レストラン、ホテルなど)が厳選されている。
選定の基準として、クオリティ、オリジナリティ、創造性、持続可能性、影響が挙げられている。
特集の見開きページに写真と共に掲載されている、中国の天津の図書館「Tianjin Binhai Library」は、「A Haven for Book Lovers」と書かれるように、本好きのぼくにとってはとても魅力的だ。
それから、ここ香港からは「3箇所」(ホテル、レストラン、文化的施設)が選ばれている。
今の「新しい行き先」が選ばれているとおり、まだ、ぼくも行ったことがない(機会を見つけて、そのいくつかには行ってみたいと思う)。
いわゆる「定番」の行く先ではなく、「今体験すべき」行き先を眺めるのは(行くことはできなくても)楽しいものだ。
ひとつには、やはり「今」がきりとられていて、変わりつつある世界を少しでも感じることができる。
100の目的地すべてに行くことはできないから(「不可能」ではないけれども)、写真や文章などで「知る」ことは、大切な手段である。
ふたつ目には、じぶんではない他者たちの「お勧め」に、じぶんでは見つけることができなかった/知ることができなかったような場所が取り上げられていることである。
やはり、じぶんの「検索」だけでは視野が狭くなってしまう。
視野をひろげようと思って、普段しないような「検索」をしても、それでもそれほどひろがりを持てないかもしれない。
だから、他者たち(ここではTIME誌の編集者たち)による「お勧め」は、「じぶんの検索」幅を、じぶんが思ってもしなかったような仕方でひろげてくれる。
みっつ目には、「100の目的地」のトレンドやコンセプト、またそれらの「選定基準」というメガネは、今の<時代>のあり様、それから未来の萌芽を見てとるのに「参照」となる。
例えば、選定基準に、持続可能性(sustainability)や創造性(innovation)が含まれていて、その視点で選ばれた場所を知ることから、<時代を読むこと/考えること>ができるのだ。
このように特集を楽しく読みながら、他方で、じぶんにとっての「世界の○○の場所」という<地図>を、じぶんの体験・経験のなかにつくってゆくことが楽しいことだとも思う。
「○○」は、じぶんにとっての基準やテーマが入り(TIME誌のように「Greatest」も候補のひとつである)、その視点から「選定基準」もかんがえてみる。
また、ここでの「世界」とは、この地球ぜんたいというよりも、<じぶんの生きる世界>のことであり、ローカルな世界でもよい。
挙げる数はいくつでもよいけれど「100」とするのもひとつである。
「100」という数は、思っている以上に多く、列挙してゆくのは大変だけれども、その分飽きない数だ。
そんなふうにして、じぶんの「世界の○○の場所」の地図をつくってゆく。
TIME誌の特集「The World's Greatest Places 2018」を読みながら、そんなことをやってみようと、ぼくは思う。