ワーキングホリデー制度を利用して
ニュージーランドに滞在していたときは、
ぼくはオークランドの日本食レストランで働いていた。
休日は、オークランドの散策。
その一つに「オークランドの図書館」があった。
ニュージーランドに来る前まで、ぼくは、普段
本を読んではいなかった。
大学の授業で指定された本を読んだりすることは
あっても、進んで本を読んだりはしない。
そんなぼくが、ニュージーランドの図書館を訪れ、
本棚を眺め、本を手に取る。
英語を学ぶ機会とすることもあったのだけれど、
それ以上に、ぼくは、学びたくなったのだ。
手に取った本のなかには、「国際関係論」があった。
学術的な本である。
その後、オークランドの古本屋に行っては、
「The Twenty Years’ Crisis」(E.H. Carr) などの
国際関係論の本を購入したりした。
(大学休学を終え、大学に復帰したとき、
ぼくは、アメリカ人の教授による「国際関係論」の
ゼミに参加することになる。)
ニュージーランドから東京に戻り、
大学に戻っていくなかで、
いつのまにか、「本」が日常の生活になくては
ならないものになっていった。
読めば読むほど、次の本が読みたくなる。
ジャンルを問わず、興味のむくままに、読む。
ニュージーランドの図書館で、
ぼくは、何を通過したのだろうか。
ぼくは、何を得たのだろうか、
あるいは、何を失ったのだろう。