「見田宗介=真木悠介」

「個」であるということの宿命。- 「自我の起原」の探求における「死の起原/性の起原」(真木悠介)。 by Jun Nakajima

宇宙物理学者フリーマン・ダイソンは、龍村仁のドキュメンタリー映画『地球交響曲第三番』の収録のインタビューを、生命の「多様性」の話から始め、話は「死」ということにつながっていった(龍村仁『魂の旅 地球交響曲第三番』角川ソフィア文庫)。

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「個体」という、ぼくたちの存在の仕方。- 「生成子たちの永劫の転生の旅の一期の宿」(真木悠介)。 by Jun Nakajima

社会学者の真木悠介が「自我の起原、われわれの<自己>という存在の仕方の起原を、人間という形態をとる以前の地層にまで遡って追求」した書物、『自我の起原』(岩波書店、1993年)は、真木悠介自身が書くように「分類の仕様のない書物」である。

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マズロー「欲求の5段階」理論を呼びよせる「力学」。- なぜ、マズローが一般的によく語られ、根拠とされるのか。 by Jun Nakajima

心理学者マズローの「欲求の5段階」理論、つまり、「生理的欲求→安全の欲求→所属と愛情の欲求→尊敬の欲求→自己実現の欲求」というように低次の欲求から高次の欲求へと段階づける理論は、いろいろな著書や記事やコメントなどを見ていると、今でもよく引用され、またときに展開される議論や論理の根拠とされたりするのを見つけたりする。

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「虚構の時代」の深まっていく時代に。- 「次にくる時代」をいま生きる方向へ舵をとる。 by Jun Nakajima

社会学者の見田宗介は、今ではよく知られる論考において、1945年以降における日本の現代社会史を、「現実」に対する3つの反対語(現実と理想、現実と夢、現実と虚構)にふれながら、また日本の「高度成長期」とも絡めながら、3つの時期の特徴を語った。

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<話合い>と<感覚>という「共同性の存立の二つの様式」(真木悠介)。- 「交響するコミューン」というモチーフ。 by Jun Nakajima

社会学者である真木悠介の名著『気流の鳴る音』(筑摩書房、1977年)は、生きていく過程で、じぶんのなかで問い、じぶんの経験に問われ、そうして生成していくような「根本的な問題」に充ちている。

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「こんな生き方もあるんだ」という感覚。- 「自明性の罠」(見田宗介)をひらく。 by Jun Nakajima

アジアを旅し、海外(ニュージーランド、西アフリカのシエラレオネ、東ティモール、香港)に住んできて、ぼくにとって大きかったことのひとつは、いろいろな人たちに出会ったり、いろいろな人たちと同じ空気を吸いながら、「こんな生き方もあるんだ」ということを、肌感覚で認識してきたことである。

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「原恩」(見田宗介)あるいは「原悲」(河合隼雄)を生の根本にもちながら。- 「日本文化の前提」をかんがえる。 by Jun Nakajima

「日本文化の前提と可能性」にかんする論考のなかで、社会学者の見田宗介は(1963年の初期の仕事において)、「汎神論」的世界における<原恩の意識>というものを取り出している。

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